故郷に残してきた幼なじみと婚約している旨を戦地に赴く道すがら嬉々として語る兵士にざっくり突き刺さる死亡フラグよろしく真夜中の誰もいない部屋で「この論文が書きあがったらまっくぶっくを買おう思ってるんです」などとおれにしか見えない誰かに半笑いで語りながら先週だか先々週だかはがんばったものの、学校から家までおよそ30分くらいの道のりをぱわーぶっくを持って帰ってきたら死ぬほど重くてなんだかどうでもよくなった。論文も締め切りには間に合ったが色々な意味で死んだ。そういえば締め切りの日は11人対11人で網が付いた枠にボールを蹴りこんだ回数を競うスポーツの世界大会決勝でフランスのハゲがイタリアのチンピラに頭突きをして退場した日であった。カテナチオ、すなわちひきこもり戦術を得意としているイタリアで重要なんだかなんなのかよくわからん位置にいるあのチンピラはおれの暗喩であると言えないこともないような気がしないでもないと無理やり思ってみることにした。そうつまり、あのハゲはおれの死亡フラグを回収するべく放たれた刺客だったんだよ…っ! たった一言に対して世界規模のフラグ回収。一点の曇りすら許さない潔癖症。おそろしいまでの完璧主義。こうして仏の国の使者に殺されたおれは死者となり旅立ったのである。さようなら、さようなr…っていうかあの頭突きって自殺じゃねえか馬鹿。

というわけで静養(主に脳の)のために実家にしばらく帰ります。